結婚式はベルセバで

今でも心に残る音楽。いつの日か迎えたい結婚式では何を流そうか、その選択のために書いています。

Kasabian "British Legion"

私は高校生の頃、Oasisばかり聴いていて、他の音楽を必要としていなかった。ただ、彼らのインタビューの中で、Kasabianという名前が頻繁に出てくることで、彼らの名前は頭の片隅に残った。そして高校卒業を間近に控えた頃、私はKasabianのCDに手を伸ばすこととなる。

1stの一曲目であるClub Footに度肝を抜かれた。メロディアスとは言えず、耳に優しい曲調でもない、初期のOasisの曲とは相容れないものであったけれど、Standing …以降、Dig out Your Soulまで聴き込んでいた私には、その延長線としてすんなりと馴染んだ。Kasabianの方がDig out Your Soulより古いのだが、私にとっては順番が反対なのだ。

考えてみれば、Kasabianとの出会いは、Oasis以外にも素晴らしいバンドが存在するのだという当たり前のことを気付かせてくれた。彼らもまたスタジアムを揺るがすようなタイプのバンドであり、私の嗜好はまだまだスタジアムロックに縛られていたと言えるけれど。

しかし、結婚式にClubFootと言う訳には行かない。「式場が乗っ取られたのでは?」というパニックを生みかねないから。ここは、2作目収録のBritish Legionだろう。この曲はメインボーカルのトムではなく、ギタリストのサージが歌っている。スタイルとしては、Don't Look Back in Angerに似ている。曲の美しさも、私には互角に思える。Don't Look Back in Angerのように思い入れがある訳ではないけれど、音楽単体で聴くならば、この曲も相当素晴らしい。

全てが柔らかく、優しいのだ。目をつぶってこの曲を聴いてみていただきたい。圧倒的な柔らかさに包まれる。過去に帰りたくなる。今が幸せであっても、きっと過去に帰りたくなる。メロディだけで、そんな気持ちにさせられる。